第17回 人を育てチームで業績を上げるリーダーとなれ!
もう一つ、ラポール形成の法則を学ぶ前に知っておいてもらいたい考え方があります。
それは社会心理学者のE・Pホランダーが1970年代に提唱した理論です。
私は大学の講義で聴いた時には、目から鱗が落ちた様な衝撃を受けた記憶があります。
また、社会人になってからも、これらの研修を受ける機会があり、大いに感銘を受けたものでした。
是非、あなたにも知っておいてもらいたいと思います。
それは信頼蓄積理論というもので、
「リーダーが過去の言動や行動で相手に対してどれだけ信頼を蓄積できたか?リーダーの影響力はその信頼のポイント数の増減に依存する。」
という内容のものです。
それまでの多くのリーダーシップ論が、リーダーの資質や行動特性といったリーダー個人に焦点を当てていたものに対して、ホランダーはリーダーと部下との関係性に着目したのです。
リーダーと部下との間に信頼ポイントが蓄積されていれば、チームの中でリーダーシップを発揮しやすくなるが、逆に信頼ポイントがなければリーダーシップは発揮できないという考え方です。
もちろんリーダーの資質や行動特性は大切であり、その中にラポール形成の法則に対峙した行動が入っていると考えられます。
その結果、部下との信頼関係が強固になるということです。
もっと、分かりやすく説明しましょう。
私があなたと初めて会ったとしましょう。
その時にお互いにお互いの信頼ポイントカードを交換しているというイメージです。
初めて会ったので信頼ポイントカードのポイント数は0ポイントです。
一目惚れという言葉があるので、いきなり100ポイントということもあるかもしれませんが基本的には0ポイントです。
そして私があなたと明るく楽しくお話をして、優しく接し、時にお手伝いをしたり、何かの支援や手助けをすると、信頼ポイントはどんどん加算されていきます。
0ポイントから10ポイント、50ポイントと・・・・・どんどんプラスになっていきます。
実際に信頼度は計測できるものではありませんので、分かりやすくするためにそうイメージをして下さいね。
逆に、あなたの足を引っ張る様な言動を取ったり、陰で悪口を言ったり嘘をついたりしていると、信頼ポイントはどんどん減算されていきます。
50ポイントあったものも、10ポイント、0ポイントとなり、やがてマイナスになっていきます。
これが信頼蓄積理論という考え方で、そのプラスとマイナスの状況でリーダーとしての影響が変わってきますよ!という考え方です。
次回は、その具体的なお話をしたいと思います。