おはようございます。

社会人の青春！　蔀（しとみ）晋輔です。

２０代後半のとある男性社員の話です。

その方の勤めている会社は、社員教育に熱心な会社です。

スキルやノウハウ系の研修だけではなく、自己啓発や人間力を高める様な研修も実施しているのです。

その中の一つに「親孝行」をテーマにした研修があったそうです。

ご両親が健在なら感謝の行動をしよう！

もうおられないのなら、心の中で感謝しよう！

そんな内容だったそうです。

そしてこんな話をしてくれました。

「会社の研修なのできちんと受講をして、親への感謝の手紙を書いたりもしたんですけど・・・・・

　内心は嫌で仕方なかったんですよ。

　私は親へ感謝もしていませんし、愛情も感じていないんです。

　ずっと虐待を受けていたんで、親に対しては恐いという気持ちしかないんです。

　他の人は親からしてもらったことや、助けられたことなどを話していたんですが・・・・・

　親から教えられたことや尊敬していることを話している人もいましたが・・・・・

　私は特になくて、言葉に困って適当に誤魔化していたんです。

　今では体力的に私の方が強くなったので恐さはありませんが、感謝の気持ちもまったくないんです。

　もう何年も会っていないので生きているかどうかも知らないんですよ」

その話を聴いて胸が痛くなりました。

私の周りにも似た様な境遇の人もいます。

会社側はその方がそんな生い立ちがあることは知らずに、良かれと思ってその研修を実施したんですね。

受講生一人ひとりの状況を把握せずに、「私たちの当り前という常識」を押し付けていることもあるかもしれません。

生い立ちも境遇も一人ひとり異なりますからね。

その方はこんなことも話してくれました。

「上司が父親と同じくらいの年齢でして、注意をされたり叱られるとあの頃の恐怖が甦ることがあるんです。

　トラウマになっているんですよ」

子どもの頃に受けた傷が、大人になっても癒されていないのです。

私も離婚をして、前妻との間に子どもがいます。

私自身も形は異なりますが、子どもに傷を与えた大人の一人なのです。

思い出すと胸が痛みます。

研修講師として、親としても色々と考えさせられました。

そんな傷を負った人たちの心が癒されることを祈るばかりです。

あなたは自分の心の傷を癒すことができていますか？

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株式会社シナジーアーク　代表取締役
一般社団法人日本野外研修ワークショップ協会　西日本エリア統括兼関西支部長
蔀　晋輔（しとみ　しんすけ）