第62回 人を育てチームで業績を上げるリーダーとなれ!
<信頼される人になれ>
法則② 自分が仲間の人生の名脇役になる
(仲間の「大切なもの」を大切にする)
仲間の人生の脚本
仲間が自分の人生の主人公として生きている中で、あなたが名脇役として存在感を発揮するためには、仲間の人生の脚本を知っておく必要があります。
そのために必要なのが、脚本の内容を聴くということです。
分かりやすくいうと、“話を聴く”ということです。
“聞く”ではなく“聴く”ということです。
では、“聞く”という行為と、“聴く”という行為は何がちがうのでしょうか?
“聞く”は門構えに耳と書きます。
字の通り、耳で聞くということです。
こちらの“聴く”は、耳+(プラス)目と心で聴く。
あるいは耳と十四の心で聴くと言われます。
単に耳で音を聞くのではなく、真剣に相手の話を心で聴くということです。
振り返ると、いかに“聞く”だけのことが多かったことか・・・・・
早く結論を知りたくて・・・・・「で、結論は?」「何が言いたいの?」「時間がないからもっと効率的に!」
自分の経験に当てはめて・・・・・「大したことないよ!」
失恋話を聞いていて、またすぐに恋人も見つかるし、悲しい気持ちも一時的なものだから!って・・・・・覚えはないですか?
自分が失恋した時はそうだったかもしれませんが、その人はその愛にすべてを懸けていたかもしれませんし、すぐに新しい恋人が見つかるかどうかも分かりません。
なのに自分はそうだったからと、その人の人生もそうだと決めつける。
自分のことをそう決めつけている相手に、深い話をする気にはならないのが現実です。
話の途中で、良いとか悪いとか評価してしまったり・・・・・
自分の興味本位や情報収集のために質問をしたり・・・・・「えっ!それでそれでどうなったの?」
相手のためではなく、自分のために質問をしていることに気づくことがあります。
では、“聴く”とはどういうことなのでしょうか?
こんな感じです。
例え、お喋りの上手な人ではなくても、相手のペースを崩さずに・・・・・「ゆっくりでいいからね!」
固定概念を持たず、また、自分の中で答えを出さずに・・・・・「どうなんだろう?」
良いとか悪いとか評価はせずに、まずはすべてを受け止めてみる。
話の途中で評価をされると、もう話す気もなくなりますからね。
そして、自分のためではなく、相手のために質問をする。
相手のための質問。
このことを突き詰めるとコーチングのスキルになってきますので、ここでは簡単に説明しておきます。
相手が答えに辿り着ける様な質問のことです。
小学校の先生が生徒に質問をします。
その質問の答えを先生が知らないのか?というとそうではありません。
答えは知っているけれど、生徒がその答えに辿り着く様に質問をするのと同じことです。
「その時に、君の心はどう感じたの?」
「君の尊敬する人が、今の君の立場だったらどんな行動を取ると思う?」
みたいな感じです。
“聴く”ことにより、仲間の価値観や考え方に感じ方、望んでいることや望んでいないことなどを知ることができます。
そのことこそが、仲間がどんな人生を歩いていきたいと思っているのか?
そして、現時点はどんな場面なのか?
人生の脚本を知ることになるのです。
その脚本の中味が分かれば、後は名脇役として、主役が最も輝ける様に支援すること。
それが、“仲間にフォーカス”することになるのではないでしょうか?
(つづく)
野外研修・人材育成・社員教育・風土改革・組織改革・研修
社会人の青春!!野外研修と「スクールプロセス型」人財育成
株式会社シナジーアーク 代表取締役
一般社団法人日本野外研修ワークショップ協会 西日本エリア統括兼関西支部長
蔀 晋輔(しとみ しんすけ)