第97回 人を育てチームで業績を上げるリーダーとなれ!
<やる気エネルギー「かい・えん・たい」を注入する人になれ>
※ここでは“演じる”や“演技”という言葉を使いますが、それは嘘の自分を演じたり、優秀ぶったりすることではありません。
私の周りに役者や芸事の修行をしている人が多いので、そういう言葉がしっくりとくるので使っています。
どちらかと言うと、“守破離”の“守”という解釈をして読んでいただけばと思います。
演技指導②
もう一つお話があります。
これは映画化もされたので、知っている方も多いのではないでしょうか?
スタンフォード監獄実験です。
スタンフォード大学で行われた実験なのですが、一般の大学生などを集めて、2つのグループに分け、それぞれの役を演じてもらう実験です。
一つのグループは囚人役で、もう片方は看守役です。
それぞれの役を演じることで、看守は看守らしく、囚人は囚人らしくなるという実験でした。
いくつかのルールに従いながら、2週間の予定で各々の役を演じていきます。
しかし、実験は7日で中止となりました。
それはなぜか?
看守役がどんどんと凶暴になり、囚人役に暴行を加える様になり、拷問を始めだしたのです。
囚人役の人も、虐待される囚人そのままの心理状態になり、抗うこともできず怯えきってしまいました。
そんな危険な状態になったので、実験は中止にせざるを得なくなったのです。
これも演じることにより、そういう人間になってしまうという実例です。
メンバーが演じるとは・・・・・メンバーがリーダーの期待に応えようとすることとも言えます。
メンバーは期待に応えるのですが、プラスの期待に応えると同時に、マイナスの期待にも応えます。
リーダーが自分に対して期待してくれている。
そう感じれば、その期待に応えたいと思います。
期待に応えて喜んでもらいたい。
褒めてもらいたい。
認めてもらいたい。
そんな心理作用が生まれます。
※注
(周りに褒めてもらうため、認めてもらうためだけに頑張るという意味ではありません。
周りの目を気にするという意味ではなく、スポーツ選手などが応援されることによって、それ以上の力を出すという解釈でお読みください。)
逆にリーダーから、「こいつはできないな!駄目だな!」と思って指示を出された場合、メンバーはそれを察知します。
何も期待されていないな。
そうなると、無意識にできない自分を演じる様になってしまいます。
マイナスの期待に応えてしまうのです。
人と人とのコミュニケーションは、言語の部分は7%で、非言語の部分が93%を占めていると言われています。
あなたの身振りや手振り、表情や声のトーンで、あなたの本心はメンバーに伝わっているのです。
口先だけの、「頼むぞ!」「頑張れよ!」という言葉だけで、本心では、「こいつは、どうせできない!」と思っていると、メンバーにはそのマイナスの期待が伝わり、それが実現してしまうのです。
ですので、リーダーは、その反対のことをしなければならないのです。
(つづく)
野外研修・人材育成・社員教育・風土改革・組織改革・研修
社会人の青春!!野外研修と「スクールプロセス型」人財育成
株式会社シナジーアーク 代表取締役
一般社団法人日本野外研修ワークショップ協会 西日本エリア統括兼関西支部長
蔀 晋輔(しとみ しんすけ)