第28回 人を育てチームで業績を上げるリーダーとなれ!
<信頼される人になれ>
法則① 自分が自分の人生の主人公になる(自分に矢印を向ける)
相手に矢印を向けろ?
前回、時には相手に矢印を向けろ!という話をしました。
自分のことを棚に上げるというのも似た面があります。
罠に陥った主任の話をしましょう。
その主任はどちらかというと厳しいタイプの主任でした。
部下に矢印を向けて、「なぜ、できないのか!」そう感じては、激しい口調で叱責することも珍しくありませんでした。
いくら厳しく言ってもチームワークはできず離職者も後を絶たない状態でした。
そんな主任が“学び”の機会を得て、自分を振り返ってみたのです。
「部下にばかり矢印を向けていた。」
「部下を自分の都合の良い様に使おうとしていただけだった。」
「信頼関係もないのに、業務として強制していた。」
「部下の立場は考えず、自分のエゴだけで接していた。」
「叱っていたのではなく、感情的に怒っていただけだった。」
多くの至らない面に気づいたのです。
そして、学びを実践しようと努めたのです。
その結果・・・・・
叱らなければならない場面でも、まだ信頼ポイントがないからと叱るのを控える。
部下が間違っていても、自分もそれができるわけではないのでフォードバックをしない。
自分ができる様になってから、フィードバックをしようと思ってしまっていたのです。
そして、厳しかった主任は怒ることはなくなったのですが、次は何も言わなくなってしまったのです。
成長をして人間的に優しくなったのではなくて、ただ甘くなってしまった・・・・・
自分に矢印を向けることは大切なことなのですが、それにより自分を責め過ぎてしまったのです。
学び始めの頃にはよく陥る罠です。
主任を含め、私たちは完璧な人間ではありません。
長所があり短所があるのが人間です。
その短所を直そうとして、長所まで潰してしまってはいけません。
すぐに怒鳴るというのは短所かもしれませんが、部下に厳しくフィードバックをするというのは長所です。
怒鳴るという短所を直そうとして、フィードバックをするという長所を潰してしまったのです。
自分ができていないと感じることでも、言わなければならない時には言わなければならないのですね。
自分が完璧になってから部下指導をしようと思っていたなら、永遠に部下指導をすることはできません。
キャリアのちがいはあっても、お互いに修行中の身ですからね。
野外研修・人材育成・社員教育・風土改革・組織改革・研修
社会人の青春!!野外研修と「スクールプロセス型」人財育成
株式会社シナジーアーク 代表取締役
一般社団法人日本野外研修ワークショップ協会 西日本エリア統括兼関西支部長
蔀 晋輔(しとみ しんすけ)