第120回 人を育てチームで業績を上げるリーダーとなれ!
<挫折しても諦めない人になれ>
誰かに助けられている②
エピソード②
誰もが、誰かから助けられている。
そんな話を、私の研修で発表された受講生のエピソードから紹介していきたいと思います。
社内において、人との関わりの面で上手くいっていない加藤さん(男性・仮名)が、みんなの前でとても勇気のある発言をしてくれました。
「私は父から虐待を受けて育ちました。
本当の父親は幼い頃に別れ、母の再婚相手である父親から虐待されていました。
毎日が怖くて・・・・・
人間というものは、怖いと思いながら生きてきました。
性格は負けず嫌いなので、反抗的な面もあります。
でも、本当は今も怖くて・・・・・上司から叱られた時も、負けてたまるか!という態度ですが、父親から虐待された時のことを思い出して恐いのです・・・・・」
研修室の中は、一瞬静まりかえったのですが・・・・・
次々と参加者が発言をしだしたのです。
森さん(女性・仮名)はこう話してくれました。
「実は、私の父親は事業を失敗して借金を背負い、自殺をして得た生命保険金で借金を返済したんです・・・・・」
浜本さん(女性・仮名)は・・・・・
「実は、私は母親から嫌われて育ちました。
母は姉を可愛がり、常に姉と私を較べ、お前は駄目だ!といつも言っていました。
そのストレスで、自分の体を傷つけ死のうとしたことが何度もあります・・・・・」
加藤さんが腹の底にあるものを吐き出してくれたのをきっかけに、職場を共にする仲間たちも、加藤さんがそこまで話してくれるのなら!と、次々に自己開示をしてくれたのです。
人生においては、誰もが何かを背負っているのだと痛感する場面でした。
そして、そんな重いものを背負いながらも・・・・・
加藤さんは、
「人を怖がる自分に対して、おじいちゃんはそんな悪い人間ばかりではないと、いつも話してくれました。
私が少しでも人を信用することができるのは、おじいちゃんのおかげです。」
とおじいちゃんに助けられたそうです。
森さんは、
「母が朝から夜遅くまで働いて、父のいない分まで頑張って育ててくれました。
そんな母親に、とても感謝しています。」
と母親に助けられたのでした。
浜本さんは、
「自暴自棄になっている私を、友達が学校に連れて行ってくれて、常にそばにいてくれました。
その友達がいなければ、今の私はなかったと思います。
本当に助けられて、ありがとう!という気持ちでいっぱいです。」
と、友達に助けられ、感謝の気持ちを大切に抱いていました。
様々な生い立ちの中で、歪んでしまった自分の心があります。
けれど、それを打ち破ろうと、誰もが同じ様にもがいているのかもしれません。
加藤さんは、そんな自分が嫌で、もっと素直な人間になりたくて、勇気を持って研修に挑んでくれたのです。
そんな彼の勇気のある行動が、その職場の仲間が、お互いの傷をいたわり合い、支え合う、素晴らしい関係性を築いていったのです。
研修後、目に涙を浮かべながら、私に握手をしに来てくれた加藤さんから、講師である私が、逆に生きる勇気とエネルギーをもらったのです。
他のメンバーも同じです。
加藤さんは過去におじいちゃんに救われたのですが、研修においては仲間たちを勇気づけ、救う立場になっていたのでした。
(つづく)
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野外研修・人材育成・社員教育・風土改革・組織改革・研修
社会人の青春!!野外研修と「スクールプロセス型」人財育成
株式会社シナジーアーク 代表取締役
一般社団法人日本野外研修ワークショップ協会 西日本エリア統括兼関西支部長
蔀 晋輔(しとみ しんすけ)