社員研修ブログ(1064号)実務的支柱と精神的支柱
企業組織においては、2本の柱が必要です。
それは実務的支柱と精神的支柱です。
実務的支柱とは、実務面においてメンバーを引っ張るリーダーです。
精神的支柱とは、精神面においてメンバーをまとめるリーダーです。
多くの企業では、精神的支柱の必要性を語られることは少なかったと思いますが、最近は社長自らがその大切さを話す企業も増えてきている様です。
組織内では、精神的支柱の成果に気づかないことが多いのではないでしょうか?
組織の底辺で、目に見えない動きをしているから気づかないのです。
ある組織において、精神的部長がいました。
部長職は一人であり、店舗数も増えることから実務的部長が入社しました。
二人の部長はタイプが異なり、精神&実務のベストパートナーでした。
実務的部長がプロジェクトを立ち上げます。
その動きに戸惑う部下たちを、精神的部長がメンタルケアをしてまとめていました。
プロジェクトやその他の業務も上手くいき、業績も伸びていきました。
ところが、会社からは実務的部長が評価され、精神的部長の評価は落ちていきました。
精神的部長に対して、「実務的部長の様に仕事をしなさい!」と言い、業務スキルの低さを酷評する様になってしまいました。
社員たちは精神的部長を尊敬し、店舗に来た時に「頑張れよ!」の一言でモチベーションがアップ!
この部長のために頑張ろう!と思い、実務的部長の指示に大きく応えていたのでした。
会社はそこが見えず、業務スキルだけで二人を比較していたのでした。
やがて、精神的部長は退職を余儀なくされ、他の組織へと転勤していきました。
残された組織はどうなったのか?
多くの優秀な店舗長が精神的部長を追って退職・・・・・
組織は殺伐とした雰囲気で、従業員のモチベーションも低下・・・・・
スキルだけを取得したいという社員は残り、実務部長の下で学びスキルアップを図りました。
そして、もっと条件の良い組織へと転職・・・・・
人財をまとめきれなくなった実務部長もやがて退職。
メインとなっていた社員がほとんどいなくなったという状態に陥ってしまいました。
その後も色々とあった様ですが・・・・・
合理主義的な表面だけに、目を囚われると危険です。
人の心は合理的ではありません。
それを合理的な規則だけで、合理的に動かそうと思っても歪みが生じます。
これからはそんな “非合理的な人” の時代に突入しているのではないでしょうか?
そして、既に精神的支柱や従業員のサポートをする役割が、社内に必要になっているのではないでしょうか?
あなたはどう思いますか?
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株式会社シナジーアーク 代表取締役
一般社団法人日本野外研修ワークショップ協会 西日本エリア統括兼関西支部長
蔀 晋輔(しとみ しんすけ)