第21回 人を育てチームで業績を上げるリーダーとなれ!

<信頼される人になれ>

信頼蓄積理論(信頼ポイント)という考え方⑤

私が店長時代に部下であるA社員が悩んでいたことがありました。

スタッフに指示を出しても、誰も聞いてくれない!ということでした。

「トイレ清掃が終わったなら所定の用紙に、誰が清掃をしたのかサインをする様に!」

「休憩が終われば、休憩室を整理整頓してから勤務に就く様に!」

スタッフは返事をするのですが、ほとんど実行されません。

ところがB社員が同じ指示を出すと、スタッフたちは言われた様に動くのです。

「どうして、僕の言うことは聞かずに、B社員の言うことは聞くのだろう?」と・・・・・

原因は簡単でした。

B社員はスタッフが困った時など、親身になって相談に乗っていました。

体調の悪いスタッフは気にして、余裕があれば休憩させることもありました。

また、忙しい時には自分もスタッフと一緒になって汗を流していました。

異性問題でも相談されることも多く、公私に渡りスタッフの面倒を見ていたのです。

B社員はスタッフからの信頼ポイントがプラスだったのです。

A社員の信頼ポイントはゼロか、もしくはマイナスに近かったのです。

A社員はそのちがいを、研修を通じて自分と向き合うことで気づき、自らの行動を改めていきました。

その数年後には、スタッフから慕われる良いリーダーになっていました。



私も20代の新入社員の頃、似た様な経験をしたことがあります。

来月のイベント企画を決める会議でのことでした。

私は「このイベントが良いと思います!」とA案を提案しました。

ところが、店長も他の社員もスルーをする感じで話は流れていきました。

色んなアイディアを発表し合うのですが、どれもピンときません。

私は私のアイディアしかないぞ!くらいに思っていました。

すると主任が私のA案と同じことを提案したのです。

「俺がさっき提案したイベントやんけ!」

と思ったのですが、店長は・・・・・

「よし!今回は主任が提案したA案でいくことにする!」

と言って会議は終了しました。

私は腹が立って腹が立って・・・・・

「俺が最初に提案した内容やろ!

 主任がそれと同じ内容を発表して、なんで主任の手柄になるんや!

 ムカつく!」

みたいな気持ちでした。

20代前半だったので、まだまだ尖っていた頃です。

自分の感情を抑えるのに苦労したものです。

そして後日、この信頼蓄積理論の信頼ポイントの勉強をし直した時に気づいたのです。

“自分の信頼ポイントがないだけだった”

と・・・・・

その主任は情熱家で、自分が発言したことは必ずやり遂げるタイプでした。

他の社員とのコミュニケーションも良好で、リーダーシップもあり周りを引っ張っていく力がありました。

それに引き替え私は・・・・・

新入社員で何の実績も経験もない。

思いつきで偉そうに話して、仲間と協力しようというよりは、「俺が一番だ!」と声高らかに叫んでいるタイプでした。

そんな私に信頼ポイントはなく、主任は逆に信頼ポイントを蓄積していました。

なので、同じ提案をしたのに・・・・・

私の発言は、「何か言ってるな!」程度に受け取られ、主任の発言は、「お前が言うのならチャレンジしてみようか!」「こいつなら全社員を巻き込んでやり遂げてくれるだろう!」そう思われたのです。

「自分が何かを訴えたのに、誰も聞いてくれない。」

「自分は正しいことを訴えているのに、なぜか誰も聞いてくれない。」

そう感じた時、実は原因は自分の信頼ポイントの残高不足かもしれません。

一度、通帳記入をして残高を確認してみましょう。

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