自己変容の軌跡 Vol.25

おはようございます。

社会人の青春! 蔀(しとみ)晋輔です。

前回の「自己変容の軌跡 Vol.24」はこちら!

遊ぶことにより、満たされない心を埋めようとしていた大学生活でした。

その中で一人、私に影響を与えてくれた人がいます。

あるスナックのママさんでした。(当時40歳半ばだったでしょうか?)

そのママさんは人に騙されて借金を抱えていました。

お人好しなんです。

私が見ていても、イライラするくらいお人好しで、すぐに人のことを信用するのですが・・・・・

そのママにはお世話になりました。

そんな借金を抱えているにもかかわらず、遊びに行った私からお金を取ろうとしないのです。

それは駄目だ!と言って取ってくれるのが3,000円でした。

ボトルも飲み放題、お腹が空いていれば食事も作ってくれました。

「あんたらみたいな若い子が来てくれたら、それだけでええねん!

 もう、あんたらが来てくれるだけで嬉しいから、儲けなんかいらんねん!」

そんなママさんでした。

そのつき合いは長きに渡りました・・・・・

私が社会人になってからも、ママさんの小学生の息子の家庭教師をしたり・・・・・

南港の建築現場に弁当を作って売りに行ったり・・・・・

その店のお客さんも一緒に海水浴場に行ったり・・・・・

様々な思い出を作ってくれました。

生きるのが下手なママさんでした。

親戚つき合いもなく、孤独だったと思います。

それもあってか、私たちをとても可愛がってくれました。

自分が犠牲になっても、筋を通す人でした。

一度、店の中でトラブルになり、相手が厨房に入って包丁を取り私に向かってきたことがありました。

その時に「刺すんやったら私を刺してからにせえ!」と、私との間に入り制止してくれたこともありました。

そんなママさんは幼い一人息子を育てるために、日々必死に生きていたのだと思います。

当時は、そんなことまで分かっていませんでした・・・・・

店を閉めてから月日が流れ・・・・・入院をしているというのを知り見舞いに行きました。

ずっとお腹が痛いのを我慢して働いていた様です。

末期の大腸がんでした。

それからほぼ毎日見舞いに行きました。

親戚のいないママさんでしたので、見舞客は私だけでした。

まだ、恩返しをしていないのに・・・・・

まだ、借りがいっぱいあるのに・・・・・

そんな気持ちのまま、ママさんは亡くなり・・・・・社会人になった息子と小さな葬儀をして見送りました。(今から10年以上も前の話です。20歳前後で知り合っているので20年くらいのつき合いでした。)

「損得勘定だけで生きてたら、損得勘定だけでつき合ってくる人間ばっかりになるからアカンで!

 私みたいに損得勘定がないのもアカンけど!」

「地団駄踏むのが人生!

 地団駄踏みながらあきらめたらアカンで!」

そんなママさんの声が聞こえてきます。

大学時代には、私の心を癒してくれるこんな素晴らしい人と出会えたのです。

(つづく)

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株式会社シナジーアーク 代表取締役
一般社団法人日本野外研修ワークショップ協会 西日本エリア統括兼関西支部長
蔀 晋輔(しとみ しんすけ)

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