社員研修ブログ（８０２号） 形だけのサンキューカード
その会社ではサンキューカードを導入していました。
しかし、残念ながら効果はありませんでした。
従業員たちは、やらされ感を抱きながらサンキューカードを書いている状態でした。
そんな中、中途採用で新人の社員が入社してきました。
先輩社員から、サンキューカードの説明を受けました。
「サンキューカードは、ありがたいなと思ったら、いつ書いて渡してもいいですよ。
最低、その月の月末までに1枚以上は書いて渡すのがルールになっていますから。」
その新人の社員は、感謝を文章にして渡すなんて、素晴らしい取り組みだな〜！と思ったそうです。
新人なので、上司や先輩から教えてもらうことばかりです。
教えてもらったり、アドバイスをもらった日には、上司や先輩社員にサンキューカードを書いて渡していました。
「○○さん、親切に教えていただいて、ありがとうございます！」
「△△さん、アドバイスをありがとうございました。
助かりました。」
みたいな感じですね。
すると、先輩社員から・・・・・
「サンキューカードの締め切りは月末なので、月末に渡したらいいよ。」
と、言われてしまいました。
その日のその時に渡した方が、気持ちが伝わると思っていたのですが、何となくやる気が萎えてしまいました。
また、ある時に、上司にサンキューカードを渡した時に、こんな注意を受けてしまいました。
「日付が抜けてるから気をつけて！」
そう言いながら、上司がサンキューカードに日付を書き込んだのです。
“感謝を伝えに行って、注意されるなんて！
まあ、ミスをしたのは私ですよ！
私ですけど、なんだかな〜！”
みたいな気持ちになるのも分かりますよね。
その新人の社員は、もうサンキューカードを渡す意欲がなくなり、締切日にまとめて書いて渡す様になってしまいました。
毎回、何にありがとうを書こうか？
悩んでいるそうです。
その結果、毎月同じ様な内容になってしまいました。
その会社では形だけのサンキューカードになってしまっているのですね。
逆にサンキューカードの効果で、社員間のチームワーク抜群の会社もありました。
その会社では、誰よりもたくさんのサンキューカードを書いているのが、その部署の部門長でした。
部門長自らがサンキューカードを渡しながら、口頭でも感謝を伝えていたのです。
やはり、部下は上司の“あり方”を見ているんですね。
あなたは、どんな姿を部下に見せていますか？
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蔀 晋輔（しとみ しんすけ）
