社員研修ブログ（１２２０号）グループホーム（知的障害者）での気づき Ｖｏｌ．１０
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グループホーム（知的障害者）での気づき Ｖｏｌ．９はこちら！
事業所Aの勇君と健ちゃん、龍太君の話をしてきました。
ここにはもう一人入居されています。
鮫ちゃんです。
鮫ちゃんは５０歳後半です。
えっ！？この人は知的障害者なの？と思ってしまう程しっかりとしています。
挨拶も普通にしてくれますし、話し掛けたことにも的確に返答してくれるのです。
しかし、健常者と同じ様にすることができない様です。
昼間は作業所に通って、お菓子やケーキなどの箱詰めをしているのですが、それが難しくてできないと嘆いているのです。
思考するというところでは、健常者に近いのだと思います。
その分、自分の状態を理解して苦しくなっている感じです。
「分かっているんですよ。
分かっているんですけどできないんです。
それがもどかしくて、情けないんです。
不甲斐ないというか・・・・・
人に助けてもらわないと何もできないんです！
はあ～（ため息）」
そんな話をしてくれました。
また、グループホームに同じ立場で入居している人を見て・・・・・複雑な気持ちにもなる様でした。
自分は彼らの様な人の面倒を見なければならないのに、彼らと同じ様に人に面倒を見てもらっている。
なんて情けないんだ・・・・・
働きもしないでお金もないのに、こんなところで住まわせてもらって申し訳ない。
そんな気持ちを話してくれるのです。
そんなことを考えすぎてウツになってしまっているそうです。
症状は軽いのですが気分の浮き沈みが激しく、食欲がなく、ひどい時は３日間何も食べない時があると聞きました。
障害がもう少し重くて、そんなことも分からないくらいの方が苦しまなくて良かったのかもしれません・・・・・
ある日「私には価値がないんです！」と言われました。
これが健常者なら、私はこう言ったでしょう。
「価値のない人間なんていないですよ！
あなたがそこにいるだけで価値があるんですよ！
何もできなくていいですよ！
生きているだけで、あなたには価値があるんですよ！」
でも、鮫ちゃんには簡単に返事ができませんでした。
自分の言葉が軽く、上辺だけの言葉になりそうな気がしたからです。
「そうなんですか！？
自分に価値がないと思っているんですか・・・・・
そんな風に思っているんですね。
そんなことないんですけどね・・・・・」
そう言うのが精一杯でした。
家族などの身内ではなく、鮫ちゃんの一部しか知らない私が、分かった様なことは何も話せません・・・・・
「生きているだけでいいから！
呼吸をして、ご飯を食べて、話をして、それだけで私は嬉しいから！」
私が家族なら、そう言えたのに！・・・・・
いや、言えただろうか？
ふと、そんなことを思いました。
（つづく）
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