社員研修ブログ(1082号)「思いやられた」時の感情を知っているから「思いやれる」
「学び」や「気づき」は、感情が伴わなければ単なる知識で終わってしまいます。
今回は、内定者として野外研修に参加したMさん(女性)のエピソードです。
Mさんは初めて会う同期のメンバーの中で、少し緊張しながら野外研修に参加していました。
また、足にケガをしており、すべてのプログラムに参加することができない状態でした。
実際にプログラムに取り組まず、一歩引いた視点からチームを見て、一歩引いているからこそ見えるものをフィードバックするという役割でした。
とは言うものの、実際に取り組んでいるメンバーを見て、疎外感を感じてしまうのも事実でした。
「自分も一緒に汗を流して取り組みたい!」と思ってしまうのです。
その疎外感から、チームでプログラムをクリアした後の記念写真を撮る場面でも、「私はクリアしていないし・・・・・」という気持ちで積極的ではありませんでした。
しかし、同じ研修をしているメンバーから・・・・・
「足は大丈夫?」
「無理をしないで、できる範囲でやればいいからね!」
「このプログラムなら参加できるかな?」
「これなら、足を曲げなくても参加できるよ!」
体は他のメンバーと同じ動きはできませんが、プログラムのクリアは全員で達成したいという気持ちだった様です。
そんなメンバーからの「思いやり」の気持ちでした。
・・・・・・・・・・
Mさんは、そんな「思いやり」というもので、感情が揺れ動いたのでしょう。
研修の最後に、
「私の足のケガを心配してくれて・・・・・
そんな言葉を掛けられたら、涙が出てしまうじゃないですか!」
と泣きながら、みんなの前で感謝の気持ちを述べてくれました。
「思いやり」は大切です。
けれど、それが知識で終わってしまっていては、思いやっていないのと同じです。
Mさんは「思いやられる」ことで自分の感情がどうなるのか?
身をもって体感し、あの涙へとなったのです。
その発表を聴いていたメンバーも、涙を拭かずにはいられませんでした。
Mさんは、「思いやり」を知識としてではなく、自分の心からの大切なものとして心に刻み込み、今後も「思いやる」行動を取ってくれると強く感じました。
初めて会ったメンバーもいる研修でしたが、帰る時には十年来の友達の様に帰路に着きました。
また、いつの日か再会したいものです。
何年か経って人事部に配属になり、引率者として野外研修を見守ることで再会する。
そんなパターンは最高です!
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株式会社シナジーアーク 代表取締役
一般社団法人日本野外研修ワークショップ協会 西日本エリア統括兼関西支部長
蔀 晋輔(しとみ しんすけ)