ダブルバインド状態だから、従業員から意見が出てこない
おはようございます。
社会人の青春! 蔀(しとみ)晋輔です。
【ダブルバインド】というものがあります。
簡単に説明すると、二重拘束:異なる矛盾した指示や命令をしてしまうことになります。
例えば、親が子どもに「危ないからこっちに来なさい!」と命令し、こっちに来ると「邪魔だからあっちに行け!」と命令することです。
子どもはどうしていいのか分からず、ひどい時には精神的な病になってしまうこともあるそうです。
このダブルバインドという行為を、実はリーダーも知らず知らずに行なっていることがあるのです。
その行為は、チームの団結力を弱め、従業員の働きたいという気持ちを抑え付け、自発的行為をなくし、仕事だからしなければならないことを、形だけ行なう様な集団にしてしまいます。
このダブルバインドの行為を、経営者自身が行なっている場合はかなり重症です。
「自店の従業員は団結力が無い!」
「自店の従業員は何も提案してこず、言われたことしかできない!」
「自店の従業員はモチベーションが低い!」
と思っている経営者の方、あるいはリーダーの方は気をつけて下さい。
そういうチームを作っている原因は、リーダーのあなた自身かもしれないのです。
ダブルバインドの事例です。
「うちのミーティングは誰も発言しないんですよ!」という、二代目の次期社長の本部長がおられました。
そのミーティングの内容は・・・・・
【その1】
部下の発言した意見に対して、否定をするだけのミーティングです。
意見を吟味する事無く、即却下し説教が始まります。
「何も考えていないのか?仕事をしてないのと同じだ!」
部下の心は「何を提案しても却下されるからな・・・・・」となってしまっていました。
【その2】
本部長自らの意見に社員が賛同した時にも、説教が始まります。
「俺の意見でいくのなら、みんながいる必要性が何もない!トップダウンのワンマンな会社にしたいのか?」
部下の心は「反対もできんし、賛成もできんがな・・・・・」となってしまっていました。
【その3】
本部長が前回否定した社員Aの意見を、今回のミーティングで自分の意見として発表することがしばしばありました。
「こういう意見を提案してほしいんやけどな!」
部下の心は「いやいや、これは社員Aの意見やがな・・・・・」となってしまっていました。
【その1】はリーダーはみんなで活発に議論を交わしたいのですが、人の意見を受け入れず却下し続けてしまっています。
部下は説教されるのが分かっているので、何も発言しなくなったのです。
【その2】もリーダーはみんなで活発に議論したいと思っているのですが、既にトップダウンのワンマン形態になっているのに気づいていません。
部下は反対も賛成も、何の言葉も発せられなくなっていたのです。
【その3】は自分より良い意見を認めたくないという心理作用が働き、後日誰かが言った意見をどこでインプットしたのかを忘れ、みんなに提案する結果になっていました。
部下は益々意見を言うのがバカらしくなっていったのです。
ミーティングで発表しなさいと言われ、発表すると発表の途中で止められ、叱責によりそれ以後の発表ができなくなっています。
また、リーダーと異なる意見を言うと否定され、同じ意見を言うとこれまた考えていないと叱責され、発表できなくなっています。
部下は発言をしないのではなく、発言をすることができなくなっているのです。
こういった店舗では、いくらマーケティングや様々な勉強を強要したところで、誰も真剣に学び現場に活かそうとしないので、まったく無意味な勉強になります。
これらは、無意識に行なわれているものですので、要注意です!
あなたはリーダーとしてどうでしょうか?
野外研修・人材育成・社員教育・風土改革・組織改革・研修
社会人の青春!!野外研修と「スクールプロセス型」人財育成
株式会社シナジーアーク 代表取締役
一般社団法人日本野外研修ワークショップ協会 西日本エリア統括兼関西支部長
蔀 晋輔(しとみ しんすけ)