パチンコ店 女店長!聖子の「社会人の青春」店作り その5「商売の最初のステージ」

おはようございます。

社会人の青春! 蔀(しとみ)晋輔です。

パチンコ店 女店長!聖子の「社会人の青春」店作り その5「商売の最初のステージ」です。

その4「相談相手」はこちら!

森は事業をしていた現役時代に戻った様な気がして、楽しくほろ酔い状態で聖子にアドバイスをしていた。
聖子も難しい専門用語ではなく、日常の言葉を使って話す森の言葉が、一直線に自分の心に響いてくるのを感じていた。

「聖子ちゃん!
 それと、アーク園田店の競合店はどんな店作りをしてるんや?」
「あっ!・・・・・」
「あっ!って言うて止まってるということは、まだ調査をしてないっていうことやな。」
「・・・・・すいません・・・・・図星です。」
「聖子ちゃん、まずは周りの店を調べんとな。
 闘う相手を知らんと、勝てる戦も勝たれへんで。」
「はい・・・・・。」

聖子はアドバイスをもらいに来ているのに、競合店すら調べずに、企画書を作るためにパソコンしかいじっていなかった自分が恥ずかしくなった。
すると森がこう話し出した。

「でもな、実は商売の神髄は闘うとか、勝つとか負けるとかではないんや。
 それは重要なことではないんや。
 ただ、商売の最初のステージは「競争」ではあるんやけどな。
 そこで勝って、「勝つ喜び」を知ることも大切なプロセスなんや。
 スポーツも一緒やろ。
 スポーツを観てて熱くなるんは、勝ち負けがあって競ってるからやろ?
 まずはそこで勝つことやな。」
「はい。」
「それでやっと、次のステージである「共感」や「共生」に辿り着けるんや。
 最初から「共感」や「共生」を目指しても、なかなか継続できんのやな。
 ボランティアになってしもうたり、稼げる仕組みになってなかったりしてな。
 だから、最初は勝つことも必要なんや。
 でも、まあ、いつまでも「競争」のステージにおっても疲れるだけやからな。
 勝つことばかり考えてると、心も疲弊してくるからな。
 事業の本来の目的は稼ぐことやなくて、稼いだ後どうするのか?やからな。
 だから最初は勝って、次に競争しなくてもいいステージに行くんや。
 今は、最初のステージにおるっていうことやな。」

聖子は分かった様な、分からないような感覚になっていた。

「それとな、お店を出す時に注意せなあかんことがあってな。」
「はい!?」
「それはオーナーが、自分が行きたい店を作ってしまうことなんや。」
「???」
「オーナーはな、自分でお金を出すからか、どうしても自分の嗜好で店作りをしがちなんやな。
 それがうけることもあるけど、多くは共感されんと撤退していくんや。
 こういう飲み屋でもそうや。
 こんなデザインで、こんなメニューで、こんな装飾で、こんな接客で、そういう店があったらうれしい な!ってな・・・・・自分の好みで店作りをしてしまってな、お客さんの嗜好とはかけ離れてしまうんやな。」
「はあ・・・・・なるほど・・・・・
 でも、自分がうれしいと思う店を作りたいっていうのは、凄く分かるんですけど・・・・・」
「自分がうれしいと思っても、お客さんがうれしいと思えへんかったらどうするんや?
 考える前提が間違ってるんや。
 お客さんがうれしいと思う店作りをしていかなな、あかんねや。
 例えばな、ここのママはな、ああ見えてフォークソング好きなんや。
 まあ、ニューミュージックって言うた方が分かりやすいかな。
 松山千春にさだまさし、川島英五とか村下孝蔵に、吉田拓郎や井上陽水・・・・・
 そういう系統が好きなんや。」
「へえー、そうなんですか。」
「そうや!
 ママよ!」
「はいはい、何ですか?」
「ママな、いっさい儲からんでもええ店で、自分だけがうれしくなったらええっていう条件やったら、どんな料理屋をする?」
「儲からんでええの?
 森さんが、面倒見てくれるんやね、うれしいわ!
 これで将来安泰やわ。」
「で、どんな店にする?」
「そうやね、バックミュージックはフォークソングオンリーやね。
 もう、カップルで来たら、帰る時には別れてしまいそうな感じで!
 アハハハハ
 昔のね、60年代や70年代の歌手のポスターを張って、店自体その時代というか、昭和っぽくしてね。
 小さいステージも作って、ギターも置いて、生歌を歌える様にするかな。
 モニターも置いて、定期的にライブの上映会もするね。
 今週の金曜日は、松山千春ライヴです!って。
デビュー当時のDVDを大音響で流して、皆で鑑賞しながらお酒を飲むの。
 うわー!楽しそう。
 あの頃のチー様(松山千春のファンはこう呼ぶ)は、毛もふさふさで、MCもまだ慣れてなくて、何か緊張しながら喋ってるっていうのが良いのよ。
 ・・・・・・・・・・(他のお客さんが来るまで、延々と続く)・・・・・・・・・・」

「聖子ちゃん。」
「はい。」
「どうや、そんな料理屋行きたいか?」
「・・・・・私はあんまり・・・・・」
「やろう?
 まあ、ママの嗜好の店作りするんやったら、ほんまにマニアックな人間とつながってな、そういう人ばっかりを集める施策を取っていかんと、普通に営業してたら無理やわな。」
「そうですね。」

「この例は極端やけどな、接客ひとつ取ってもそうなんや。
 こんな接客がしたいっていう考え方やなくて、お客さんが喜んでくれるのは?っていう視点で考えんとな。」
「なるほど・・・・・お客さんのために考えるんですね。」
「いや、ちょっと違うな。
 お客さんのためにじゃなくて、お客さんの立場になって!やな。」
「???」
「お客さんのためにって考えると、自分が基準になってまうんや。
 お客さんのために考えると、これは喜ぶだろうって・・・・・
 その喜ぶっていうのが、自分の感覚になってしまうんやな。
 お客さんの立場になって、趣味嗜好、年齢、普段の生活・・・・・そういう立場になって考えなあかんわけや。
 分かるか?」
「はい、何となく・・・・・」
「聖子ちゃんがな、わしを喜ばそうとしてな、わしに腕を組んできたり、肘にオッパイを当ててきたとするやろ。
 それは聖子ちゃんが、わしが喜ぶやろうと思ってしてるだけで、わしは聖子ちゃんみたいな若い子には興味がないから、うれしくも何ともないわけや。
 わしは40代にならんと、孫みたいで女を感じんからな。
 それよりも、こんなところを知ってる人間に見られたらどうしよう?って、困ってしまうだけなんやな。」
「ひどーい!
 何か、複雑な感じ・・・・・」
「まあまあ、例えばやからな。
また、そういう行動が演技になってしもうてな、お客さんにはばれてしまうからな。
心の無い接客なんか、何も嬉しくないしな。
自分がお客さんの立場の時に見たら分かるやろ?
そのスタッフが一生懸命に心から行動してるんか?
やらなあかんから演じとるのか?」

聖子はうなずいて聞いていた。

「相手の立場になるっていうのは、そういうわしの嗜好や感覚になるっていうことなんや。
 だから、あまりベタベタせずに、距離を保ちつつしててな、聖子ちゃんが40代になったら、ベタベタしてくるっていうのが大事なんや。」
「なるほど、複雑な気持ちですけど、なんとなく分かりました。
 お客さんの性格や感覚っていうか、そういうものになり切って考えるっていうことですね。」
「そう言うこっちゃ。

まあ、それも十人十色で、色んな価値観があるから難しいけどな。
お客さんの立場になるっていうのは、不可能と言えば不可能とも言えるからな。
そこは、意識するしかないという面もあるわ。」
「はい。
意識する様にします。」
「最後は聖子ちゃんがやれることを必死のパッチになってやることやな。
その必死のパッチな姿が、お客さんの心に響くんやな。
最終的には、何事も自分次第というとこに辿り着くんやな。」
「はい。」

「まあ、そのためにはまず!
 その場所の周辺に住んでるお客さんや競合店のお客さん、それに自店にいるお客さんをよく見て把握しておくこと!
 分かった!?」
「はい。
 分かりました。」

その日は森のアドバイスをメインに盛り上がり、楽しく有意義な時間を過ごして、帰り際には、また会ってもらえる約束をしてお開きとなった。

(つづく)

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蔀 晋輔(しとみ しんすけ)

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