目に見えないサービス
おはようございます。
社会人の青春! 蔀(しとみ)晋輔です。
昔の話になりますが、とあるパチンコ店の社長と主任の、“接客サービス”に関しての会話です。
「当店も大手に負けない様な接客レベルにするために、接客マニュアルを作ろうと思っているんです。」
「まあ、最低限の不快感を削除するためのマニュアルは必要やな。」
「接客の研修とかしたいと考えているんですけど。」
「・・・・・んーーーー・・・・・
どちらかと言うとな、目に見えへんサービスをしてほしいんや。」
「目に見えないサービスですか?」
「あんな、例えば決まった時間におしぼりを配るとか、作業が終わったら一礼するとか・・・・・それはみんな見えるサービスやん。
見えるサービスはどこかで好評やったら盗めるねんな。」
「はい・・・・・?」
「例えばな、3時になったらお客さん全員におやつを配る様にして、それが好評でお客さんの数が増えたとするやろ。
そしたら他店も同じ様におやつを配ることができるやんけ。
ほんだらその時点で同等になって、差別化も独自化もクソもなくなるやろ。
それは見えるサービスで、盗めるサービスやねん。」
「はい。」
「主任にして欲しいのはな、そんなサービスやなくて、見えなくて盗めないサービスなんや。
例えばお客さんが汗をかきながら来られた時に、主任がそのお客さんのためだけにおしぼりを持って行ってあげる。
しかも、主任しかできない心からの笑顔で「これ使って下さーい!」って言いながら・・・・・
箱交換する時もそう!レシートを渡す時もそう!挨拶をする時もそう!
主任にしかできないやり方で!
マニュアルに書いてある様な決まったサービスではなくて、主任しかできないサービスをして欲しいんや。
それを部下やアルバイトにも浸透させてな。
それぞれのスタッフにしかできない、接客やサービスを実施して欲しいんや。
そうなればな、競合店があの店のサービスが好評やからって盗まれへんねや。
盗もうと思ったら主任や他のスタッフを、ヘッドハンティングせなあかんねや。
それくらいになってほしいんや。
それが見えないサービスやねん。
分かる?」
「はい、分かります。
でも、そんな感覚は今までなかったです・・・・・」
「今まではどうでもええねん。
これからやん!
これからその見えないサービスを全従業員で実践してくれたら、うちは唯一無比の店になるで!」
「そうですよね!頑張ります!」
複数のチェーン店を展開するホールから転勤してきた主任は、そのホールと同じ様な接客サービスをしようと思っていたのですが、考えが大きく変わり“見えないサービス”を追求することにしたのでした。
今ではそういう目に見えないサービスのことを、接遇と表現しているところもありますね。
そういった目に見えないサービスや接遇で、お客さんはファンになってくれるのでしょうか?
これも昔の話になりますが・・・・・
難波にあるチェーン店で“歩くホスピタリティ”と呼ばれる店長がいました。
現在はすでに引退されているのですが、その店長のファンがたくさんおられたのです。
店長が人事異動で配属店舗が変わる度に、お客さんがこぞってその店長の配属先の店舗に移動するのです。
お店にお客さんがついていたのではなく、その人にお客さんがついていたのです。
凄いマンパワーですね。
次に、上記よりも最近の話になりますが、とあるお店にホスピタリティあふれる大学生のアルバイトスタッフがいました。
それなりに人気の店なのです。
彼の接客レベルは高く、いつも笑顔でお客さんに可愛がってもらっていました。
ところが彼も大学4回生で就職が決まり、アルバイトを辞めることになりました。
なんと彼が辞めると来客数が減り、稼動も落ちてしまったそうです。
彼がいなくなったことを、残念がるお客さんの声も少なくなかったそうですよ。
その時に社長が、
「パチンコ店での接客はあまり重要ではないと思てたけど、影響がないことはないな・・・・・!」とぽつりと呟いていたそうです。
もう一つ、これは聞いた話ですが・・・・・
ある店長が人事異動で遠方の店舗に異動が決まった時に、最後の勤務の日にお客さんが花束やプレゼントを持って、店長とお別れをしに来てくれたそうです。
店長は泣きながら、お客様にお礼を述べお別れをしたそうです。
やはり、そういった出来事もありますので、単に一礼をするという接客サービスではなく、ホスピタリティあふれる接遇で、お客さんとの関係性を作ることは非常に重要なことなのかもしれませんね。
あなたの店では、どんな接遇でお客さんと関わっていますか?
野外研修・人材育成・社員教育・風土改革・組織改革・研修
社会人の青春!!野外研修と「スクールプロセス型」人財育成
株式会社シナジーアーク 代表取締役
一般社団法人日本野外研修ワークショップ協会 西日本エリア統括兼関西支部長
蔀 晋輔(しとみ しんすけ)