おじいさんの身の上話

おはようございます。

社会人の青春! 蔀(しとみ)晋輔です。


今日は、私がパチンコ店で勤務していた主任時代のエピソードです。

あるおじいさんがパチンコ台を叩いて硝子を割ってしまい、手が切れて(そんなに深くはなかったのですが)血を流していました。

血を流しながら、出ない!回らない!と怒鳴りまわっていたのです。

スタッフが対応していたのですが、どうも、らちがあかないということで、私が対応することになりました。

そのおじいさんは月に2・3回くらい来られるお客さんでしたが、そんなに暴れる印象はありませんでした。

「おじいちゃん!どうしたん!?

 手、切ってもうて血だらけやんか・・・・・このタオルでふきいや!

 どうしたん?いつも紳士やのに、今日は荒れてるな!」

と、話し掛けて聞いてみました。

すると、おじいさんは・・・・・

「おかあちゃんはずっと前に天国に行ってもうてな・・・・・

 娘は結婚して家を出とるし、息子は仕事で東京に行っておらんのや・・・・・

 孫はおるけど、たまにしか遊びに来えへんし・・・・・

 家に帰っても、わし一人なんや・・・・・

 気分転換にパチンコして遊ぶけど、そんな毎日も来られへんし、お金も無いし・・・・・

 この店の子は良い子ばっかりやから、しょっちゅう来たいけど、今日も負けてしもうた・・・・・

 明日から来られへんし、どうしたらええんや・・・・・淋しいんや!!」

と、涙をポロポロ流し、エンエンと泣きながら、同じ内容の話を延々とリピートすること一時間以上。

だいぶ落ち着いてきたので、

「おじいちゃん、うちの子が好きやって思うんやったら、パチンコせんでもええから店においでや。

 余裕があったら遊んだらええし、それ以外はベンチがあるからそこに座って、時々うちの子らと話して!

 僕もおじいちゃんのこと覚えてるから、世間話くらいできるから。

 今日は怪我もしたから帰ってな、手当てしたらまた明日おいでや。」

と、言って送り出しました。


次の日からおじいさんは毎日来る様になりました。

最終的には月に2・3回の来店から、週に2・3回来店する様になり、パチンコをしたり、他の常連さんと話をしたりする様になりました。

私やスタッフと世間話をしたり、和やかな雰囲気でニコニコと笑顔でおられる様になりました。

これで、おじいさんの淋しさを埋められたのかどうかは分かりませんが・・・・・

パチンコ店で働いていることを色眼鏡で見る人もいますが、こんな人と人とのエピソードを多くの方が持っていると思います。

私を育ててくれたのも、この業界ですからね!

どんな職業でも一生懸命に取り組んでいれば素晴らしいものです。

あなたは今の仕事に誇りを持っていますか?

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